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【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)

      2019/04/10

悪路走破性の高さは国内でも随一の軽クロカンの新型スズキ・ジムニー XC(4AT)を、実際に登山口まで走らせて登山者目線で実用性や走行性能・燃費をチェックします。

今回の走行地:西丹沢(ビジターセンター畦ヶ丸登山口不老橋
【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)【登山口ナビ】

<目次>
– 乗った印象
● 旧型よりも良くなった乗り心地
● 運転席からの見晴らしがよく、スクエアなボディで見切りも良好
● ハスラーなどに比べれば室内スペースはミニマム

– 積んだ印象
● リアシートは荷室と割り切る必要
● バックドアのダンパーが利いており、狭いスペースでの開閉は注意

– 走らせた印象
● 一般的な軽乗用車に比べてどっしり落ち着きのあるステアリングフィール
● 高速100㎞/h巡行は4000回転弱、過不足ないが古さを感じさせる4速AT
● 未舗装路での圧倒的な安定感

– 総評
● 高速巡行は得意ではないものの二人で登山へ行くには最高のクルマ
● 国内仕様はATの多段化やアイドリングストップ機構などで燃費を改善させてもよいのでは

– テスト車のデータ

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乗った印象

● 旧型よりも良くなった乗り心地

フロントシートは全グレード共通で座面は余裕があり疲れにくい設計。
乗り心地は固めだが不安なロール感もなく普段使いも苦にならない。
最上級グレードのXCはブレーキサポートや車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能をはじめとしたスズキセーフティサポートが標準装備(他グレードはオプション)、快適装備ではシートヒーターはXG以外標準、クルーズコントロールはXCのみ搭載。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) 運転席【登山口ナビ】
【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) 助手席【登山口ナビ】

● 運転席からの見晴らしがよく、スクエアなボディで見切りも良好

着座位置が高いため見晴らしが良く、スクエアなボディと大きなドアミラーで見切りが良く狭い道も不安なく走れる。
一般的な林道であれば下回りを擦る心配はほぼ皆無。
室内はシンプルで各種スイッチ類の操作性は良好、8インチのモニターは画面が大きく見やすい。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) センターコンソール【登山口ナビ】

● ハスラーなどに比べれば室内スペースはミニマム

リアシートに長時間の乗車は厳しいがXCとXLは左右独立の12段リクライニング機構付き。
車高は高いが地上高も高くボンネットも長いため、ハスラーなどに比べれば室内スペースはミニマム。

積んだ印象

● リアシートは荷室と割り切る必要

リアシートを立てた状態では小ザックがぎりぎり積載可能。
実質的にリアシートを倒して2人(もしくは3人)乗車と割り切るのが無難。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) トランクスペース【登山口ナビ】
【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) トランクスペース【登山口ナビ】
【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) リアシート可倒【登山口ナビ】

● バックドアのダンパーが利いており、狭いスペースでの開閉は注意

バックドアは横開きで扱いやすいが、ダンパーが利いており途中で止まらないため、壁ぎりぎりに停めてしまうと開ける時にあててしまう恐れがあるので注意。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W) バックドア【登山口ナビ】

走らせた印象

● 一般的な軽乗用車に比べてどっしり落ち着きのあるステアリングフィール

一般的な軽乗用車のようにハンドルが軽すぎるということがなく、高速から山道までどっしりと落ち着きのあるステアリングフィール。
ワインディングは法定速度内で走っている限りは全く破綻がなく、ボディ剛性の高さを感じる。
急ハンドルを切るような状況では外側にふくらみがちなので、カーブではしっかり減速して少ない舵角で走らせるのが適切。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)丹沢湖【登山口ナビ】

● 高速100㎞/h巡行は4000回転弱、過不足ないが古さを感じさせる4速AT

64馬力のターボエンジン搭載で車重は1t少々なので、先代より若干重たさを感じるものの軽自動車としては過不足ない走り。
オートマミッションは4速で100km/h巡行時は3750回転、先代は同4200回転だったので高速走行時の快適性も向上。
舗装路でエンブレを利かせる場面では最近の多段化されたATから比べると古さを感じる。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)【登山口ナビ】

● 未舗装路での圧倒的な安定感

本格的な悪路は走行していないものの、一般的なクロスオーバーSUVでは躊躇するような未舗装路でも難なく走破。
副変速機のトランスファーレバーは試乗車の個体差によるものか操作が固め。
(通常走行は2WD、未舗装路のみ4WDの4Hに切り替え)

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)畦ヶ丸登山口【登山口ナビ】

総評

● 高速巡行は得意ではないものの二人で登山へ行くには最高のクルマ

高速道路で長距離を運転するには向かないが、悪路走破性が高くコンパクトなボディで狭い林道での取り回しは最高の一台。
登山口付近の路肩に駐車する場合も、普通の車に比べて停められる場所の選択肢が広い。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)不老林道【登山口ナビ】

● 国内仕様はATの多段化やアイドリングストップ機構などで燃費を改善させてもよいのでは

今回は都心から高速道路を使用して舗装された丹沢の山道と未舗装林道を短い区間試走、エアコンは不使用で帰路の高速道路は渋滞にも巻き込まれて燃費は11.7km/Lほどでした。
国外でのユースをふまえ従来型の4速ATを採用、アイドリングストップ機能などもなく燃費は良い方ではないが、国内仕様は独自に改善を図ってもよいのではないか(逆に言えば不満は燃費ぐらい)。

【登山試乗記】スズキ・ジムニー XC 4AT(JB64W)不老林道【登山口ナビ】

(試乗レポート&写真:登山口ナビ 吉田 岳)

テスト車のデータ

スズキ・ジムニー XC

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3,395×1,475×1,725mm
ホイールベース:2,250mm
乗車定員 :4名
車重   :1,040kg
駆動方式 :4WD
エンジン :658㏄直列3気筒DOHC12バルブ インタークーラーターボ
ミッション:4速AT
最高出力 :64ps(47kW)/6,000rpm
最大トルク:9.8kgm(96Nm)/3,500rpm
燃費   :WLTCモード 13.2km/L(市街地モード 11.0km/L、郊外モード 13.9km/L、高速モード 14.2km/L)
タイヤサイズ:175/80R16 91S(ブリヂストン・デューラーH/T)

車両本体価格 :¥1,841,400(消費税込)
オプション価格:¥211,788(消費税込/工賃含まず)

オプション装備:マッドフラップセット ¥10,800、ドアバイザー ¥9,288、ラゲッジマット(フルカバー) ¥20,520、フロアマット(トレー) ¥14,040、スタンダード8インチナビセット ¥143,640、ETC車載器 ¥13,500

テスト車の年式:2018年式(スズキ ディーラー車)
テスト実施日 :2018年11月23日
テスト距離  :196.7km
走行ルート割合:市街地 / 高速道路 / 山間部 = 30 / 50 / 20
使用燃料   :16.77リッター(レギュラー)
参考燃費   :11.73km/L(満タン法)

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