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【週末お天気コラム】上空の寒冷渦の影響で変わりやすい天気

      2023/09/08

気象予報士のふくぴーです。

今週末の天気について、天気図を使って見ていきます。

まずは8月26日(土)9時の500hPa高度・渦度予想図です。

お天気コラム 2023年8月26日9時 500hPa高度・渦度予想図 【登山口ナビ】

太平洋高気圧の中心は三陸沖にあって、8月下旬とは思えないほど北に偏っており、その勢力圏の目安となる500hPa=5880m以上の領域は、北日本を覆うでしょう。また、関東の南東の海上には、周囲と比べて高度が低い低気圧が解析できます。

お天気コラム 2023年8月26日9時 500hPa気温予想図 【登山口ナビ】
お天気コラム 2023年8月26日9時 地上予想天気図 【登山口ナビ】

8月26日(土)9時の500hPa気温予想図を見ると、500hPa高度・渦度予想図で解析できる低気圧が、500hPaで-6℃以下の寒気を伴っていることがわかります。地上天気図で見られる台風や熱帯低気圧は上空に暖気を伴う特徴があり、また位置も異なっていることから、地上予想天気図では表現されていない上空に寒気を伴った低気圧「寒冷渦」が、台風や熱帯低気圧とは別に、高層天気図上に存在する予想となっています。太平洋高気圧の縁を回って下層には南から暖かく湿った空気が流れ込み、さらに地上と上空500hPaとの気温差が40℃に達するような500hPa/-6℃以下の寒気を伴った低気圧が近づくことから、東日本では大気の状態が不安定となって雷雲が発生しやすく、8月26日(土)は雷を伴った激しい雨の降るおそれがあります。山沿いだけでなく、東京都心など平野部でも天気の急変に注意が必要です。

お天気コラム 2023年8月27日9時 500hPa気温予想図 【登山口ナビ】
お天気コラム 2023年8月27日9時 500hPa気温予想図 【登山口ナビ】

8月27日(日)9時の500hPa高度・渦度予想図を見ると、26日(土)9時に関東の南東の海上に予想されている低気圧が27日(日)9時には東海道沖に進むことがわかります。500hPa気温予想図では、26日(土)と同様にこの低気圧は上空500hPaで-6℃以下の寒気を伴っており、この影響で東日本は大気の不安定な状態が27日(日)も続くでしょう。東日本は山沿いを中心に激しい雷雨となりやすく、東京都心など平野部でも天気の急変が起こりやすい状況が27日(日)も続くことが予想されます。

なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。

 気象庁 最新天気図(外部リンク)
 気象庁 最新天気予報(外部リンク)

※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。

(執筆:気象予報士 ふくぴー)

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