今週末の天気と梅雨明けはいつ?太平洋高気圧はどこへいった?
2019/07/14
気象予報士の福ちゃんです。
今週末は海の日の3連休で、そろそろ梅雨が明けてもいいのでは?と思っている方も多いかと思いますので、今週は太平洋高気圧の勢力を測る、500hPa高度5,880m線について説明します。
500hPa高度・渦度図を使って解説していきます。
先週の相当温位よりも見方はわかりやすく、500hPa=5,880m以上の領域が太平洋高気圧の勢力の目安となります。
(高層天気図では地上天気図と違って、同じ気圧の面に対して相当する高度が書かれています。500hPa=5,000mと500hPa=6,000mの場合、前者は5,000m=500hPa、後者は5,000m=500hPa以上ありますので、地上天気図同様、数字が大きいほど高気圧、あるいは気圧の尾根に覆われている状況となります。)
まずは、猛暑で晴れていた昨年の同時期の状況を見てみましょう。
500hPa=5,880mの太平洋高気圧が東北南部以南の日本列島をすっぽりと覆っていることがわかります。特に暑さが厳しかった西日本には500hPa=5,940mのさらに一段強い、年に数回しか見られないような強い勢力で覆っていることがわかります(梅雨明けの晴天の良い例です)。
そして、こちらが今年の状況。3連休の初日・7月13日(土)午前9時の500hPa高度・渦度の予想図です。
昨年と比べると差は一目瞭然。赤枠で示した500hPa=5,880m以上の太平洋高気圧の勢力の領域は日本の南海上。梅雨明けするとは言えない状況です。
7月14日(日)午前9時の予想図も見ていきましょう。
13日(土)と比べると、さらに500hPa=5,880m以上の領域が縮小。太平洋高気圧はますます存在感をなくしていきます。
また、朝鮮半島から緑線で示した気圧の谷が西から進んでくるため、太平洋高気圧の北に横たわる梅雨前線が活発化し、より天気は悪化していきます。
今週末も先週同様、梅雨前線の影響を受ける状態で、特に3連休の後半になるほど、天気の悪化が予想されている状況です。残念ながら梅雨明けはまだ先です。
なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。
気象庁 最新天気図(外部リンク)
気象庁 最新天気予報(外部リンク)
※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。
(執筆:気象予報士 福ちゃん)