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【週末お天気コラム】台風5号と勢力の強まる太平洋高気圧

   

気象予報士のふくぴーです。

今週末の天気について、高層天気図を使って見ていきます。

まずは、7月30日(土)9時の500hPa高度・渦度予想図です。

お天気コラム 2022年7月30日9時 500hPa高度・渦度予想図 【登山口ナビ】

台風5号が東シナ海を進み、本州付近は500hPa=5880m以上の、上空の太平洋高気圧の勢力圏内に入っています。
台風があると、上昇気流が強まり、地表付近の空気が上空に持ち上がります。しかし、宇宙空間に空気が逃げていくことはできないため、上空で空気の上昇が止まり、横へと流れます。横へ流れた空気は、高気圧によって生じる下降気流を強めます。

お天気コラム 台風と高気圧の関係 【登山口ナビ】

このため、台風の周囲の高気圧は強まる傾向にあり、本州付近の太平洋高気圧は勢力が強まる予想で、北海道~近畿を中心に晴れて、平地では最高気温が35℃を超える猛暑日となる所がありそうです。
7月31日(日)9時の500hPa高度・渦度予想図を見ても、この傾向は続いています。

お天気コラム 2022年7月31日9時 500hPa高度・渦度予想図 【登山口ナビ】

ただ、何も注意点はないのか、7月30日(土)9時の850hPa相当温位予想図を見ていきましょう。

お天気コラム 2022年7月30日9時 850hPa相当温位予想図 【登山口ナビ】

850hPa相当温位予想図を見ると、暖かく湿った空気が流れ込む九州や四国の、特に太平洋側では、南西からの湿った空気が山にぶつかり、雨が降りやすくなりそうです。また、九州や四国では南西の風が強まり、強い風にも注意が必要です。
そして、甲信地方では850hPa相当温位345K以上の高温多湿な空気が残り、午後を中心に雷雲が発生しやすくなるため、山沿いでは雷雨に注意してください。また、暑さが厳しくなるため、標高の低い山に行かれる方は大きめの水筒を準備し、こまめな休憩と水分補給で万全の熱中症対策を行うのをおすすめします。

なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。

 気象庁 最新天気図(外部リンク)
 気象庁 最新天気予報(外部リンク)

※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。

(執筆:気象予報士 ふくぴー)

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