【週末お天気コラム】台風11号と前線の影響、雷雨に注意
2022/09/16
気象予報士のふくぴーです。
今週末の天気について、高層天気図を使って見ていきます。
9月3日(土)9時の500hPa高度・渦度予想図です。
目を引くのはやはり、赤い丸で囲った沖縄近海にある台風11号です。高層天気図でもはっきりと同心円状に低気圧として表現され、渦度は1000を超える大きな数字となっており、その勢力の強さがうかがえます。
850hPa相当温位予想図を見ると、相当温位の線が混んでいる=気団の境目である前線が日本海~東北地方に解析され、南からは台風由来の暖かく湿った空気が流れ込みます。前線の活動が活発になるため、前線周辺で大雨のおそれがあります。さらに、前線周辺だけでなく、東・西日本では南からの暖かく湿った空気が山にぶつかり、上昇気流が発生することで、積乱雲が発達しやすく、非常に激しい雷雨に注意が必要です。
9月4日(日)9時の500hPa高度・渦度予想図を見ると、西から気圧の谷が近づいてきます。そして、気圧の谷の前面の、上空の南から北に流れる風に乗り始めることで、台風11号は北へと動き始めます。南からの暖かく湿った空気が流れ込んで、山沿いを中心に雷雲が発生しやすい状態が続きそうです。また、台風の北上に伴って、西日本ではしだいに南東の風が強まり、高知県や宮崎県などの太平洋側を中心に激しい雨が降り続いて、大雨となるおそれがあります。
なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。
気象庁 最新天気図(外部リンク)
気象庁 最新天気予報(外部リンク)
※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。
(執筆:気象予報士 ふくぴー)