台風6号直撃!今週末の山は27日・28日とも荒天?
気象予報士の福ちゃんです。
今週末の天気について、今回も500hPa高度・渦度予想図から見ていきましょう。
7月26日(金)午後9時の予想図です。
500hPa高度5,880mのラインは日本列島を覆っていますが、日本の南海上には太平洋高気圧の間を割って入るかのようにLマーク=熱帯低気圧が進んできます。
7月27日(土)午前9時の予想図でも、500hPa高度・渦度予想図では不明瞭になりつつも太平洋高気圧の間を北上していく熱帯低気圧が表現されています。
気象庁の地上予想図でも明瞭にその様子が描かれています。
850hPa相当温位図も確認していきますが、熱帯低気圧が供給する850hPa相当温位345K以上の高温多湿の空気が関東~近畿地方に広がっており、山での悪天候が想定されるのはもちろん、平地でも激しい強い雨・風となることが予想されます。
そして、7月28日(日)の天気はどうなるのか、熱帯低気圧が過ぎ去って天気回復するのか、今週は新たに紹介する700hPa湿数の予想図をもとに見ていきます。
湿数とは、気温から露点温度を引いた値で、「0」が湿度100%を表し、700hPa湿数の予想図上では、縦線で囲まれた領域が700hPa(上空約3,000m)で湿数が3以下と予想される領域を示しています。
この領域内では高度約3,000mでの湿度が高いことを表しており、3,000m級の山の山頂でガスが広がっている(積乱雲が発達するような条件では雷雨等の可能性もあります)ことが予想されます。
7月28日(日)午前9時の段階でも、関東~中部付近はまだ熱帯低気圧がもたらした高温多湿の空気が残っており、3,000m級の山の山頂はガスの中で雨が降ることが想定されます。
今週末も土日ともに、残念ながら山での眺望は期待できず、特に7月27日(土)は熱帯低気圧の中心付近では平地でも雨風ともに強く悪天となりそうです。
なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。
気象庁 最新天気図(外部リンク)
気象庁 最新天気予報(外部リンク)
※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。
(執筆:気象予報士 福ちゃん)