【週末お天気コラム】週末は大気が不安定、雷雲の発生に注意!
2022/07/15
気象予報士のふくぴーです。
今週は7月5日(火)に長崎県に台風4号が上陸し、台風の影響を受ける日が多かったですが、今週末の天気について、高層天気図を使って見ていきます。
まずは、7月9日(土)9時の500hPa高度・渦度天気図と、500hPa気温・700hPa湿数予想図です。
太平洋高気圧の勢力圏を示す500hPa=5880mのラインは日本列島から姿を消し、今週末は先週末と違って太平洋高気圧に覆われないことがわかります。また、関東の東の海上には台風4号から変わった低気圧があり、また低気圧を流す偏西風は日本の北で大きく蛇行し、偏西風の流れに乗れないまま、動きの遅い状態となっています。
さらに、500hPaの気温を見るとこの低気圧は上空に500hPa/-6℃以下の寒気を伴っており、元台風がもたらした下層の熱帯由来の高温多湿な空気と上空の寒気が合わさって、大気の状態が不安定、雷雨が発生しやすい状態となります。
続いて、日曜日になるとどう変化していくのか、7月10日(日)9時の500hPa高度・渦度天気図と、500hPa気温・700hPa湿数予想図です。
偏西風は日本の北で大きく蛇行している状態が続いていますが、ようやく風の動きに少しずつ乗り始め、台風4号から変わった低気圧はゆっくりと北に動き出し、7月10日(日)に北日本付近に達する予想です。引き続き500hPa/-6℃以下の強い寒気を伴っているため、雷雨の発生しやすい、大気の不安定な状態となります。低気圧の北上に伴って、東日本では風向が南よりに変わり、南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなるため、山の南側の斜面で特に雷雲が発生しやすくなりそうです。
今週末は台風4号から変わった動きの遅い低気圧と、上空の寒気の影響で、不安定な変わりやすい空模様となるため、残念ながら登山には向かない天気となる見込みです。
なお、実際に出かける際は状況が変わっていることがありますので、最新の天気情報もチェックしてください。
気象庁 最新天気図(外部リンク)
気象庁 最新天気予報(外部リンク)
※本文中に登場する高層天気図は、気象庁の数値予報天気図(外部リンク)を編集・加工して作成しております。
(執筆:気象予報士 ふくぴー)