戸隠山(西岳・本院岳~P1尾根) 登山口コースガイド
2019/10/24
二百名山の一つで北信五岳の一つでもある戸隠山(1904m)を、鏡池から戸隠奥社を経て西側の本院岳(2030m)・西岳(2053m)を縦走し、P1尾根で下るコースガイドです。戸隠牧場へ下るルートに比べ、P1尾根は鎖場の数も多くコースタイムも長いことから上級者向けのルートになります。
【標準コースタイム:登り5時間50分 / 下り4時間45分】
戸隠山をバックに鏡池脇の遊歩道を奥社へ向けて出発します。
鏡池の駐車場へアクセスする鏡池林道は、紅葉シーズンはマイカー規制が行われるため戸隠奥社入口駐車場や戸隠森林植物園の駐車場を利用します。
天命稲荷に出たら右側へ進み、30分ほどで表参道の随神門に到着します。
門をくぐり奥社へと続く杉並木を進みます。
参道脇に祠や石像を見ながら進むと、やがて石の階段の登りとなります。
随神門から20分ほどで九頭龍社と奥に戸隠神社奥社の拝殿があります。
戸隠山の登山口は社務所の脇にあります。
すぐに急登が続き、やがて頭上に岩壁が迫って見えるようになります。
オーバーハングした五十間長屋の岩壁基部を左へと進みます。
眼下の展望を見ながら岩壁を回りこむと百間長屋です。
片桐門状のオーバーハングした岩の下には地蔵が祀られています。
しばらく進むと西窟の祠があり、頭上には垂直に近いが鎖があり登ることも可能です。
西窟を過ぎると本格的な鎖場が続くようになります。
西窟の先の鎖場を登ると左手に天狗の露地と呼ばれるスリリングな展望台があります。
スタート地点の鏡池やこれから向かう本院岳・西岳の稜線がよく見渡せます。
続いて中間にトラバースを挟む鎖場です。
さらに西側の稜線の見晴らしが良い鎖場や足場の悪いトラバースの鎖場と続きます。
蟻の戸渡直下には視界が開けた胸突岩の長い鎖場あがあります。
胸突岩の長い鎖場を登りきると、蟻の戸渡(塔渡)と呼ばれるナイフリッジが見えてきます。
両側が切れ落ちた幅50㎝ほどの岩稜の上を20mほど進みます。
蟻の戸渡には右手側に巻き道が設けられていますが、足場が悪い急峻なトラバースとなっています。
続けて剣の刃渡りと呼ばれる5mほどのナイフリッジです。
幅が細く傾斜がついていますが、左下の足場を利用して通過します。
ナイフリッジを越えてひと登りすると、奥社から2時間20分ほどで西岳コースと分岐する稜線上の八方睨です。
足元には先のナイフリッジと鏡池、飯縄山の背後に奥志賀や浅間連峰、八ヶ岳連峰から北アルプス、高妻山などが見渡せます。
戸隠山ピークや九頭龍山方面と道を分けて西の稜線を進みます。
稜線上はしばらく草付きのなだらかな道ですが、南側は急斜面のため滑らないよう注意します。
本院岳が近づき、振り向けば八方睨までの稜線がよく見渡せます。
稜線上、最初のトラバースの鎖場と垂直方向の鎖場がありますが難易度は高くありません。
山頂手前で岩の切れ目から百丈沢が一直線に延びているのを見下ろします。
登りつめれば八方睨から2時間ほどで本院岳の山頂です。
引き続き戸隠高原側の展望がよく、木間より日本海方面の景色も望めます。
本院岳を過ぎると鞍部に向かって下ります。
西岳手前の小ピークに向かって崖上に登山道が見えています。
西岳手前の小ピークを登り返すと背後には本院岳の絶壁、前方には西岳の断崖が迫ります。
小ピークからはキレットを挟んで西岳山頂直下の鎖場が見てとれます。
キレットを渡ると先ほどの鎖場になります。
鎖は30mと長い上、取りつき付近は適切な足運びを要する経験者向けの鎖場です。
砂地や笹の急坂を登り切れば、本院岳より40分ほどで最高地点となる西岳山頂です。
P1峰へはアップダウンのある草付きのやせ尾根を進みますが鎖場はありません。
振り返れば西岳と本院岳のダイレクト尾根、奥に八方睨とナイフリッジが見えています。
30分ほどでP1峰(弁慶岳)を過ぎると、まずはP1尾根の鎖のない急斜面を下ります。
すぐに5mほどの鎖を下った後、不帰ノ嶮の垂直に近い20mの鎖場が続きます。
正面の岩峰が下ってきた不帰ノ嶮です。
P1尾根の蟻の戸渡は右側に足場があるため、八方睨のナイフリッジより容易です。
続いて難所とされる無念の峰ピーク前のハシゴとトラバースの鎖ですが、下山では登り返しとなるため足場を把握しやすいのが救いです。
無念の峰ピーク直下からは連続する長い鎖場となります。
一連の鎖場は中間でトラバース気味になり、鎖が振られやすい箇所もあります。
なだらかな飯縄山を眼下に見ながら鎖場がさらに続きます。
途中、広くはありませんが熊の遊場が休憩ポイントとなります。
東隣のダイレクト尾根を見上げます。
熊の遊場を過ぎてすぐに垂直に近い鎖とトラバース気味の鎖場を通過します。
やせ尾根の急坂を下るとやがて開けた採草地、天狗平(大平)に出ます。
背後にはP1~P3峰の稜線が聳えます。
沢に出たら渡渉し左岸を進みます。
左から出合う沢を渡り、崩壊地を過ぎればP1峰から3時間30分ほどで上楠川口との分岐です。
再度沢を渡り鏡池方面へ緩やかな坂を登り返します。
分岐から40分ほどで未舗装の林道を横切り、すぐに戸隠林道脇の西岳登山口に出ます。
さらに林道を5分ほど歩けば鏡池に戻ることができます。
◆戸隠山(西岳・本院岳~P1尾根)の登山口駐車場情報
鏡池
戸隠奥社入口駐車場
戸隠森林植物園
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