表妙義 金洞山(中ノ岳~鷹戻し~相馬岳)登山口コースガイド
2024/11/21
日本三大奇景の一つ妙義山(表妙義)を、中之嶽神社前の妙義公園駐車場から石門広場を経て、鎖場の連続する金洞山(中ノ岳~東岳~鷹戻しの頭)の茨尾根から表妙義最高峰の白雲山・相馬岳まで縦走する上級者向けのコースガイドです。下山ルートはタルワキ沢コースから中間道を周回して戻ります。
【標準コースタイム:登り5時間20分 / 下り3時間00分(タルワキ沢コース~中間道)】
上信越道の松井田妙義インターチェンジより下仁田・妙義山方面へ向かい、道の駅みょうぎを過ぎて妙義山南麓を通る上毛三山パノラマ街道を進むと金洞山を見上げる妙義公園の大駐車場があります。
車道を10分ほど戻り石門群登山道から登り始めます。(駐車場前の中之嶽神社から中ノ岳へ直接向かうコースは後述)
登山道に取り付くとすぐに“かにのこてしらべ”と呼ばれる短い鎖場があります。(迂回可能)
巨大な第一石門が見えてくると、第二石門上部までの短絡するルートが右に分岐します。
第一石門のアーチをくぐると肖像レリーフがあり、岩の急斜面を登ると前方に第二石門が見えてきます。
第二石門は“かにの横ばい”と呼ばれるトラバースの鎖から“たてばり”の鎖で登り上げ、石門を挟んで“つるべさがり”の15mほどの鎖で下ります。
続けて片手さがりと呼ばれる5mほどの鎖を下ると下山路と合流します。
少し登ったところで第三石門の分岐があります。
トラバースの鎖場の先にある小振りな第三石門は行き止まりとなっています。
登山口から30分ほどで奥に大砲岩を覗く第四石門前の広場です。
広場手前左手の分岐より5分ほど登ると中之嶽神社からのルートと合流します。
<中之嶽神社からのルート>
駐車場対面の鳥居をくぐり、甲子大國神社前から右手の急な階段を登ります。
岩壁に潜り込むように建つ神社本尊の左手に轟岩、右手の奥が登山道となっています。
沢筋の脇から急斜面に石段が続きます。
30分ほどで尾根筋に登り上げると石門広場からのコースと合流するすぐ手前に見晴台の分岐があります。
狭い尾根をわずかに進むと小祠が置かれた見晴台があります。
稜線の岩稜と眼下に第四石門を見渡すことができます。
分岐から一般登山者の登山禁止の看板が続き、岩の露出する急斜面を登り上げていきます。
やがて稜線直下で岩峰基部に出て、鎖が設置されたルンゼ状の岩場を登ります。
主稜のコルに出て東へ進路を変え、左側(北側)をややトラバースするように進みます。
稜線上に出ると中ノ岳の岩峰が聳え、眼下に妙義公園駐車場とその奥には奥秩父の展望が広がります。
中ノ岳山頂直下は2段15mの鎖場となります。
特に上段の中間部分は垂直に近く、足場を確保しながら身体を巧く引き上げる必要があります。
分岐から50分ほど、鎖を登りきると小祠がある中ノ岳の狭い山頂です。
特徴的な荒船山や西岳(登山禁止)の背後に浅間山が並び、裏妙義の稜線を見渡すことができます。
山頂からわずかに下ると東岳を前に痩せた岩稜上を渡ります。
こぶ岩の短いながら垂直に近い鎖を下り、わずかな登り返しから続けて鎖を下ります。
草付きの鞍部に出て登り返していくと、先に通過した痩せ尾根の鎖場を見ることができます。
東岳山頂直下はルンゼ状の3段30mの鎖場となります。
鎖を登りきると中ノ岳から30分ほどで展望の開けた東岳山頂です。
先ほどの中ノ岳の稜線や金鶏山の奥に関東平野の眺望も広がります。
急斜面を下ると大砲岩方面のエスケープルートが分岐します。
エスケープルートもトラバースの鎖場を経て急斜面を下るため注意を要します。
鞍部に向かって手前の岩峰を左からトラバースするように下ります。
次に向かう鷹戻しの頭の岩稜が聳えます。
鞍部からの登り返しはルンゼ内2段25mの鎖場となります。
特に上段は垂直に近いため足運びに注意を要します。
鎖を登りきると右手に展望の良い露岩がありますが、登山道は回り込むようにして下った後、再び登りに転じます。
ルンゼ状の岩場を登り上げると東岳から1時間5分ほどで鷹戻しの頭の稜線上に出ます。
向かって右に踏み跡もありますが行き止まり、登山道は左(白い案内板あり)へと進みます。
西側から巻くように下るとすぐに鎖と梯子が60m連続する鷹戻しの上部に出ます。
最初の踏み出しは白雲山を見下ろす絶壁上のため緊張を要しますが、足場の確保は比較的容易です。
樹林帯に入るとすれ違い可能な平場があり、突き出た岩をトラバース気味に乗り越えます。
垂直に近い鎖に続いて梯子を下ると短い平場を挟み、最後に短い鎖場を下ります。
さらに急勾配の下り坂が続きます。
平場に出て岩稜のやや左側を巻く区間では右手の開けた岩場より鷹戻しの鎖場を見ることができます。
短い鎖場で鞍部に出ると、旧国民宿舎側に下る女坂巡視道の分岐があります。
分岐を過ぎて滑りやすいおわん状内壁のトラバース鎖や8mの外傾鎖などが続きます。
わずかに登り返した先に中間道へ下る堀切(ホッキリ)の分岐があります。
堀切から登り返すと鷹戻の頭から1時間20分ほどで茨尾根のピーク(パノラマ台)が右手にあります。
展望が良い狭い岩稜上からは相馬岳や金洞山の並びを見ることができます。
パノラマ台直下の小さな石門をくぐると急傾斜の下り坂となります。
薄い岩稜の右側をトラバースするように進むと、やがて沢筋に下ります。
沢の二俣を右へ進み、沢と沢の間の尾根筋に取り付きます。
源頭付近の急斜面を登り上げていくと、30mの鎖場があります。
長さはあるものの、比較的容易に登ることができます。
鎖場からひと登りすると茨尾根のピークから1時間ほどで旧国民宿舎方面の分岐があります。
分岐からわずかで裏相馬岳のピークをそれるように進みます。
わずかに下った後、最後に急斜面を登り上げると旧国民宿舎の分岐から20分ほどで表妙義の最高点となる相馬岳(1103.8m)の山頂です。
山頂は西面のみ開けていて、金洞山の稜線や浅間山などを見ることができます。
相馬岳から15分ほど下るとタルワキ沢のコルの分岐です。
相馬岳と天狗岩の岩壁に囲まれたがれた急な下り坂が続きます。
ロープの岩場や遭難碑のある岩場前の鎖場を経て45分ほどでタルワキ沢出合に至ります。
沢筋を離れる箇所もあるため踏み跡を外さないよう注意が必要です。
以降はアップダウンのある整備された中間道を進みます。
岩庇下をくぐり崩れた桟道脇を通過すると、タルワキ沢出合から15分ほどで本読みの僧があります。
登り基調の階段が続き、小滝のある沢筋を跨ぎ尾根筋を回り込みます。
下り基調に転じて岩庇下をくぐると25分ほどで大人場方面の分岐がある東屋に出ます。
東屋からわずかに下り沢を跨ぐと鉄階段に続いて九十九折れの急登となります。
トラバースを挟みさらに登り上げていくと東屋から20分ほどで下山ルート専用となっている堀切の分岐です。
沢筋を跨いで登り上げていくと、痩せ尾根上に出て長い鉄階段を登ります。
階段を登り終えると岩庇下をくぐり、大岩壁の基部を進みます。
急斜面の登りとなり、階段で尾根筋を回り込むと緩やかなトラバースとなります。
関東ふれあいの道のプレートを過ぎ、堀切分岐から30分ほどで大砲岩分岐に至ります。
分岐から黒田泣岩を鎖で下り、足下の切れ落ちたトラバースの鎖から5mの鎖を経て大砲岩や胎内くぐり、天狗のひょうていまで行くことが可能です。
大砲岩分岐から5分ほど下ると石門広場に出て、下山道経由で20分ほどで登山口に戻ります。
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