八ヶ岳・横岳(桜平~硫黄岳~奥ノ院)登山口コースガイド
2023/07/12
八ヶ岳の中央部に位置する硫黄岳(2760m)から南北にいくつものピークが並ぶ横岳の最高峰・奥ノ院(2829m)までの縦走路を、夏沢鉱泉の麓にある桜平から登るコースガイドです。登山口からの標高差が比較的少なく、南八ヶ岳らしいアルペンルートを楽しめます。
【標準コースタイム:登り3時間50分 / 下り2時間40分】
桜平へは八ヶ岳エコーラインから三井の森別荘地を通り抜けて、唐沢鉱泉との分岐で右折して未舗装の林道を終点まで進みます。凹凸が大きい箇所もあるため、車高の低い車は注意が必要です。
2017年より登山口の600m手前に駐車場が新設され、さらに3㎞ほど下に桜平下駐車場も整備されました。
登山口のゲートからは一部コンクリート舗装された林道歩きとなります。
林道を30分ほど進み、川の右岸に渡ると夏沢鉱泉前に出ます。
夏沢鉱泉の先で車道終点となり、右岸沿いに雪上車が通れる幅の登山道が続きます。
水力発電棟を過ぎると左岸へ渡ります。
木橋で再び右岸へ戻り、九十九折れの登りとなります。
夏沢鉱泉から50分ほどでオーレン小屋に到着します。
小屋の入口付近には水場もあります。
オーレン小屋のテント幕営地脇を通り、峰の松目・硫黄岳方面へ向かいます。
(小屋前を夏沢峠方面へ直進するルートは後述)
程なく峰の松目との分岐に出ます。
硫黄岳方面へ進むと徐々に傾斜が険しくなります。
疎林となり前方の視界が開けると鞍部が見えてきます。
最後はハイマツなど灌木のトンネル状の道を進みます。
オーレン小屋から1時間ほどで硫黄岳と赤岩の頭の鞍部に出ます。
分岐は開けた平場となっており、硫黄岳から横岳・赤岳の稜線や北アルプスが一望できます。
ジョウゴ沢の火口を右手に見ながら硫黄岳へ向かいます。
最初のガレたピークは左から巻くように登り、山頂直前の岩は右へ巻きながら進みます。
分岐から20分ほどで広々とした硫黄岳の山頂です。
最高点は縦走路から分岐する爆裂火口のへりを進んだところになります。
さらに奥まで進むと爆裂火口壁や天狗岳が見渡せます。
<夏沢峠経由>
オーレン小屋前の分岐を直進、峠までは比較的なだらかな道が続きます。
20分ほどで夏沢峠のヒュッテ夏沢前に至り、山びこ荘の後方に硫黄岳の爆裂火口壁が見えます。
硫黄岳に向かうと崩落斜面を迂回した後、ガレた急登となります。
すぐに森林限界を越えて視界が開け、天狗岳など北八ヶ岳や浅間山、北アルプスなどの展望が広がります。
岩を回り込み爆裂火口沿いにケルンの並ぶ登山道を進むと夏沢峠から1時間ほどで山頂です。
硫黄岳から横岳に向けてケルンが立ち並ぶ広い道を大ダルミ方面へと下ります。
前方には台座の頭の右に横岳の岩稜と大同心・小同心が並びます。
山頂から20分ほどで硫黄岳山荘のある鞍部に至ります。
付近はコマクサの群生地となっており、山荘前には駒草神社の小さな祠が祀られています。
台座の頭を登り返していくと、背後に硫黄岳の全景が広がります。
台座の頭のピークをかすめて植生保護柵沿いに進むと、前方に横岳の岩峰が迫ります。
山頂直下はこれまでのなだらかな道と打って変わり急峻になります。
最初の小岩峰は東面(左側)から巻き、すぐにハシゴで西面へ移ります。
切れ落ちたカニの横ばいを鎖伝いに進み、すぐに鎖場を直登して再度東面へ移ります。
ハシゴ(手前は積雪期用)を登り急斜面をわずかに登れば、硫黄岳山荘から50分ほどで横岳・奥ノ院の山頂です。
山頂からは晴れていれば奥秩父から富士山、赤岳・阿弥陀岳越しに南アルプス、中央アルプスや硫黄岳の平らな稜線と北アルプスの大展望が広がります。
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