甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)登山口コースガイド
2023/08/06
百名山の一つで駒ヶ岳の中でも最高峰となる南アルプスの甲斐駒ヶ岳(2967m)を、尾白川渓谷の駐車場から日本三大急登の黒戸尾根で登るコースガイドです。登山口からの標高差が2190mと長丁場で梯子の続く急登区間もありますが、笹原や苔むした雰囲気の良い樹林帯から鎖場のある岩稜帯へと変化に富んだコースです。
【標準コースタイム:登り9時間10分 / 下り5時間30分】
黒戸尾根は甲斐駒ヶ岳の山頂に建つ駒ヶ嶽神社奥社への表参道コースとなります。
登山口は尾白川渓谷と横手駒ケ嶽神社の2つがありますが、前者の方が駐車場は整備されておりメインルートとなっています。
駐車場の奥より林道を進むと日向山への登山コースが分岐し、すぐに里宮の一つである竹宇(ちくう)駒ヶ岳神社があります。
神社の奥にある吊り橋を渡ると尾白川渓谷へのコースと分岐して登山道となります。
すぐにジグザグの登り坂となり、尾白川渓谷からの下山道が分岐します。
緩急を繰り返しながら登り坂が続きます。
信仰の山でもあるため道端には所々に小さな祠や道祖神が祀られています。
痩せ尾根を通過すると駐車場から2時間30分ほどで横手駒ケ嶽神社からの道と合流する笹ノ平分岐です。
しばらくクマザサの広がる緩やかな道が続き、標高1628m付近で駒ヶ岳黒心龍神の碑がある小さな平場を通過します。
続いて八丁登りと呼ばれる急登区間が続きます。
再び平場を過ぎて前屏風ノ頭付近より道の両脇は苔に覆われるようになります。
視界が開け、刃渡りと呼ばれる両側が切れ落ちた痩せ尾根を通過します。
左手には鳳凰三山の地蔵岳のオベリスク、振り返れば市街地や八ヶ岳を見渡すことができます。
さらに梯子や鎖・ロープの据え付けられた急登区間が続きます。
笹ノ平分岐より2時間ほどで刀利(とうり)天狗の祠に至ります。
刀利天狗を過ぎてなお登り坂が続き、道の両脇はいっそう苔むしてきます。
黒戸山を巻くようになると道は緩やかになり、やがて五合目に向けて下りに転じます。
下山道の指導標ある平場(五合目小屋跡)を過ぎ、鞍部へ下ると刀利天狗から1時間ほどで祠の建つ五合目の広場です。
広場を出るとすぐに長い梯子があり、道脇に石碑が並ぶ急登区間が続きます。
屏風岩を過ぎてキレットに架かる橋を渡ると、不動岩の先にルート中で最も傾斜角のきつい梯子があります。
さらに急登区間が続き、特に切れ落ちた梯子と鎖場の連続する岩場では濡れている際に注意が必要です。
五合目から1時間10分ほどで七丈第一小屋です。
小屋前には唯一の水場(宿泊者以外は100円)があり、奥にトイレ(同200円)と第二小屋があります。
小屋から少し登ったところにあるテント場を過ぎ、岩の転がる登り坂が続きます。
剣と石碑が建つ岩の脇を過ぎてハイマツ帯に入るといよいよ稜線が見えてきます。
七丈小屋から1時間ほどで八合目御来迎場(ごらいげいば)です。
倒壊した鳥居と石碑の奥には甲斐駒の山頂と手前の二本の剣が立つ大岩、左手には鳳凰三山を望みます。
御来迎場を過ぎると鎖場が断続的にあります。
岩場の急登が続きますが、コイワカガミなど高山植物も多く見られます。
二つの剣が立つ九合目の岩を左側を巻き、岩稜帯を登り進むと西峰に建つ駒ヶ嶽神社奥社の前に出ます。
さらに摩利支天からの道と合流し、御来迎場から1時間30分ほどで甲斐駒ヶ岳の山頂です。
山頂にはわらじがかけられた馬頭観音の祠があります。
晴れていれば山頂標の奥には仙丈ヶ岳、摩利支天の奥に北岳や鳳凰三山、富士山などを見ることができます。
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