甲斐駒ヶ岳(日向八丁尾根)登山口コースガイド
2023/08/08
百名山の一つで駒ヶ岳の中でも最高峰となる南アルプスの甲斐駒ヶ岳(2967m)を、尾白川渓谷から日向山を経て日向八丁尾根で登るコースガイドです。三大急登の黒戸尾根よりもコースタイムが長く標高差も大きい体力を要する中級者以上向けのルートですが、登山道は比較的整備されており、烏帽子岳からは展望の良い稜線が続きます。
【標準コースタイム:登り13時間15分 / 下り10時間40分】
※日向山までは日向山(尾白川渓谷~矢立石)コースガイドをご覧ください。
雁ヶ原の鞍部に向かって砂地の急斜面を下ります。
左に錦滝方面の道を分けて痩せ尾根のアップダウンが続きます。
1622mピークの大岩の脇を過ぎると、鞍掛山・大岩山のプレートがあり登り基調に転じます。
垂直に聳える巨岩の前に出て沢筋を跨ぎ、笹面の尾根を登り上げていきます。
シャクナゲが見られるようになり急登を越えると東からの尾根筋と合流します。
樹林の隙間からは八ヶ岳や鳳凰山が見えるようになります。
やがて傾斜が緩み、なだらかな登りが続くようになります。
花崗岩の砂礫が露出するようになり、鞍掛山の手前で左側の視界が開けて甲斐駒ヶ岳や鳳凰山の奥に富士山を見ることができます。
雁ヶ原から2時間30分ほどで鞍掛山との分岐となる駒岩です。
駒岩付近はなだらかな斜面に天然カラマツ林が広がります。
林床に苔の広がるなだらかな登り坂が続きます。
地形図上では徒歩道の終点となる駒薙ノ頭(毛むくじゃら山)のピークを過ぎて奥に大岩山が見えてきます。赤いプレートを目印に鞍部へ下ります。
鞍部から急坂を登り返すと駒岩から2時間ほどで大岩山です。
山頂を後にして深い沢筋を回り込むように進むと露岩の急な尾根を下ります。
急斜面を鎖とロープで下っていきます。
さらに丈夫なワイヤーロープが途切れることなく続きます。
最後に鉄梯子と鎖場を過ぎると鞍部に至ります。
わずかに登り返すとしばらくアップダウンが続きます。
やがて前方に烏帽子岳の山容が見えるようになり、露岩も増えてきます。
岩壁の脇を通り緩やかに登り上げると標高2400mを越えて前方の視界が開け、烏帽子岳と甲斐駒ヶ岳が一望できます。
鞍部から登り返すと間もなく樹林帯を抜けて岩場の急登となります。
視界が開けて鋸岳や八ヶ岳から奥秩父、足下には歩いてきた日向八丁尾根と尾白川渓谷の上流域を見渡すことができます。
短い鉄梯子で岩稜に登り、両側が切れ落ちた岩場を渡ります。
再び灌木帯に出て前方に烏帽子岳の山頂が目前に見えてきます。
手前のピークには大頭羅白神と薬師大神の古い石碑があります。
大岩山から3時間30分ほどで烏帽子岳の山頂です。
山頂は360度の展望が広がります。
岩稜を下り樹林帯をわずかに登り返すと鋸岳方面の分岐があります。
間もなく三ツ頭のピークに出て仙丈ヶ岳の展望も開けます。
六合目小屋のある鞍部に向かって痩せ尾根を下ります。
砂礫地に出て左手の樹林帯へ巻くと、三ツ頭の分岐から40分ほどで石柱の並ぶ鞍部に出ます。
稜線からそれて右手の踏み跡を進むと六合目小屋(岩室)があります。
小屋のすぐ手前にある駒嶽大神の脇から岩場に取り付くと稜線上に戻ります。
灌木の藪漕ぎをわずかに挟んで岩稜の急登が続きます。
鎖場のある小ピークを登るといよいよ山頂が近づいてきます。
ハイマツの緩斜面を過ぎて岩峰の右手を横這いの鎖で通過します。
鋸岳の奥に中央アルプスや北アルプスの展望が広がります。
山頂手前の岩峰は左手から巻き、山頂直下の大岩を登り上げます。
六合目小屋の鞍部から1時間40分ほどで甲斐駒ヶ岳の山頂です。
山頂にはわらじがかけられた馬頭観音の祠があります。
晴れていれば山頂標の奥には仙丈ヶ岳、摩利支天の奥に北岳や鳳凰三山、富士山などを見ることができます。
◆甲斐駒ヶ岳(日向八丁尾根)の登山口駐車場情報
尾白川渓谷
矢立石
◆近隣の登山口コースガイド
甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)登山口コースガイド
日向山(矢立石~錦滝周回)登山口コースガイド
◆登山口ナビでは、甲斐駒ヶ岳(日向八丁尾根)のガイドも承っています。
詳細は登山口ガイド受付ページをご覧ください。
<その他の登山口コースガイド>