八ヶ岳・権現岳(地獄谷~ツルネ東稜)登山口コースガイド
2024/07/15
八ヶ岳の権現岳(2715m)を、清里側の八ヶ岳美し森ロッジ(たかね荘)からバリエーションルートの地獄谷本谷を経てツルネ東稜より登るコースガイドです。地獄谷の沢沿いは渡渉を繰り返すため注意が必要ですが、尾根上は危険な箇所も少なく比較的歩きやすい稜線上からの展望が良いルートです。
【標準コースタイム:登り6時間55分 / 下り5時間30分】
美し森の駐車場よりも標高が80mほど高く、登山者も利用可能な八ヶ岳美し森ロッジ(たかね荘)の駐車場からスタートします。建物の奥には赤岳と横岳が聳えます。
駐車場すぐ裏手にある羽衣池・美し森方面の分岐を直進します。
小沢脇に出ると美し森駐車場から続く川俣林道(一般車通行禁止)に合流します。
しばらく未舗装の林道歩きとなります。
途中で八ヶ岳横断自然歩道と交差します(天女山方面へ進まないよう注意)。
林道の本線を右に見送り、ガレ場を横断して地獄谷沿いの作業道を進みます。
沢沿いは氾濫により作業道が崩落しており、砂防ダムの手前で右岸へ渡り迂回します。
2番目の長大なコンクリート堰堤の前で左岸へ渡り返します。
堰堤の奥に権現岳や赤岳の並びを見ることができます。
3番目の堰堤に続いて4番目の堰堤を右端の階段で越えます。
続く防御抗堰の脇を通り抜けて右岸側を進みます。
6番目の堰堤手前で左岸へ渡り返し、続く7番目・8番目の堰堤も右側を通過します。
最後の9番目の堰堤は左側を越え、川の屈曲点の手前で岩伝いに渡渉します。
さらに渡渉を4回ほど繰り返します。
小屋を対岸に見てやや右手側から渡渉すると、駐車場から2時間ほどで高根山岳会の出合小屋に至ります。(古い山と高原地図の小屋記載位置は不正確)
小屋を出るとすぐに赤岳沢(天狗尾根)のルートと分岐します。
本沢(ツルネ東稜)は手前で遭難碑のある大岩を高巻くようにして進みます(沢沿いを進む場合は対岸へ渡渉が必要)。
沢沿いに下りて支流を渡渉しながら右の地獄谷本谷を進みます。
遭難碑のある岩が目印の上ノ権現沢を渡渉して尾根に取り付きます。
指導標や取り付き部の巨石が目印になります。
取り付きからしばらくは笹の急斜面の直登が続きます。
2040m地点の手前で露岩の脇を通過、北杜市の指導標があります。
露岩上からは地獄谷と権現岳の岩稜を見ることができます。
2040mの小ピークを越えてしばらくは樹林帯の登りが続きます。
次第に笹原から苔むした林床へ変わっていきます。
一部に尾根の痩せた箇所があるものの、道は明瞭で危険な箇所は特にありません。
再び笹の斜面となり、左手の開けた場所から金峰山や富士山が見えるようになります。
稜線が近づき樹林が疎らになると赤岳の天狗尾根全貌や阿弥陀岳が見えるようになります。
尾根のやや左側を巻くように道が続きます。シャクナゲなどの灌木が増え、最後はわずかにハイマツの藪を漕ぐと出合小屋から3時間30分ほどでツルネの分岐です。
ツルネは西側に中央アルプスや御嶽山と北アルプス、東側に奥秩父山塊を一望することができます。
ツルネからしばらくなだらかな登山道が続き、鞍部を過ぎて登りに転じると遭難碑の下を通過します。
旭岳に向かって岩場混じりの急登が続くようになります。
標高を上げると赤岳や阿弥陀岳の並びがよく見えるようになります。
岩場を越えると権現岳からギボシの稜線が見渡せます。
旭岳のピークを巻くように稜線のやや右手側を進みますが、途中の踏み跡を辿りピークに立つことができます。
見晴しの良い稜線を進むと前方に61段のゲンジー梯子が見えてきます。
梯子に続く鎖場を登りきると山頂が間近となります。
ツルネから1時間5分ほど、編笠山方面との分岐のすぐ先に権現岳の山頂標があります。
山頂の岩峰南側には檜峰神社の祠があります。
360度展望が開けた山頂からは三ツ頭の奥に富士山、南アルプス、編笠山と西岳の奥に中央アルプス、ギボシの奥に北アルプス、阿弥陀岳と赤岳、奥秩父山塊を一望でき、ピークの岩峰には剣が置かれています。
◆八ヶ岳・権現岳(地獄谷~ツルネ東稜)の登山口駐車場情報
八ヶ岳美し森ロッジ(たかね荘)
美し森
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◆登山口周辺の食事処・レストラン
八ヶ岳 中村農場
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